2024年11月21日

ディジュリドゥの吹き方ガイド

ではここからはディジュリドゥの演奏方法についてお話しします。
さらに詳しく演奏方法を知りたい方は、下記ページをご参照ください。
教則CD初級編動画レッスンサイト初級編で使用しているディジュリドゥは、ディジュトーイのD管です。

■ステップ1 音を出してみる■

まず覚えておいてほしいことは、ディジュリドゥは息を吹き込む楽器ではなく、唇を振動させる楽器です。ディジュリドゥの音を出すのに、大量の息は必要ありません。そして、ディジュリドゥの息の出し方は腹式呼吸で、おなかで息を押し出す感じです。そのおなかで音に強弱をつけます。

音に変化をつけるのは主に口の中、舌の動かし方だったり、喉を鳴らしたり、口の中の空間を変えたりします。

まずは、口を開けて暖かい空気をはき出すように、息を吐いてみます。
次に口の中に小さなピンポン球が入っているぐらいの空間を作って、口を「ほ」の形にします。吹き口に口をぴったり正面からつけて、やわらかく息を吐いてみましょう。何も音がしないときは、下唇の根元に息を送るように唇の根元を柔らかくします。

次第に「ぼっ」という柔らかい音が出てきたら、おなかでその音を支えるように一息で音を伸ばしていきましょう。 最初は柔らかい音を作ることが大切です。

音を出しながら唇の位置をちょっとずつ調整していきます。
この時点で音がかすれる人は、1mmでいいので唇を前に出してみましょう。
ちょうど綺麗に振動する唇の位置を覚えていきましょう。

しっかりした音が出せるようになったら、その音に変化を付ける練習をしましょう。例えば膨らんだ頬を絞っていけば音に鋭さが増すし、ときどきおなかから強く息を吐くと音に強弱が付きます

■ステップ2 循環呼吸■

ディジュリドゥの独特な奏法、循環呼吸(サーキュラーブリージング)を練習しましょう。
循環呼吸とは鼻から息を吸うときにも常に口から息を出すことによって、音を途切らせずに続ける奏法です。
まず頬をふくらましながら、 音を出してみます。将来的には頬に空気をいれなくても出来るようになるのが理想ですが、
循環呼吸が出来るようになるまでは頬に空気を入れてみましょう。
2,3秒音をだしては吸う、を一定のリズムで繰り返します。そのときに口では息を吸わず、鼻で息を吸ってみましょう。
また鼻で吸うときに口を吹き口から離したり、動かしたりしないことがポイントです。

次に鼻で息を吸っていた時にしぼんでしまった頬を常にふくらんだ状態に保ちます。やり方としては、まず、頬をふくらまして吹いた後、口を閉じて頬の空気が逃げないようにします。鼻で吸った後、少しだけ 口を開けてそのまま音を出します。その間、頬はふくらんだままということです。

それが出来るようになったら、閉じた口を少しずつ重なる力を抜いていって
口がちょっとだけ開いた状態でも頬が潰れないように調整していきます。
すると息を吸っているときも少しずつ音が残り始めて音をつないで演奏できるようになります。循環呼吸が出来るようになったら、少しずつ頬の空気を溜めなくても、口の前の方に溜めた息だけで循環呼吸が出来るように練習しましょう。

他にも様々な循環呼吸の練習方法があります。 詳しくはレッスン教則CD,DVD,レッスン動画を参照して下さい。

さらにリズムを作る際、ポイントとなるダブルブレスという循環呼吸法があります。
 
喉または舌で息の流れを一瞬止めて、「タッタッタッ」と喉から短い息を規則正しく出していきます。その「タ」と「タ」の間で息を吸っていくのですが、口の空間を常にキープできるようになると、音がつながるようになります。
より早くこの呼吸法をやりたい人はできるだけ喉で「カッカッカッカッ」(上記動画で喉を指さしているところ)と息を切ってあげましょう。

■ステップ3 いろいろな音を出してみる■

音がつながったら、その音に変化をつけます。

●トゥーツ(またはホーン)
基本音をさらに絞っていくと汽笛のような音を出すことができます。
この音をトゥーツ(またはホーン)といいます。
ポイントとして基本音よりも息をよりも弱く出すこと。
強すぎるホーンはディジュリドゥを痛めるばかりか、不快音にしか聞こえません。
スティーブンケントのようにホーンの上手な使い手になると
さらに上のホーン(ダブルホーン、トリプルホーンという)も出すことができます。
ヨルングの奏法ではトゥーツといい、ホーンよりもさらに優しく音の芯を抜いたような音をだします。
ホーンのコツは基本音の時と違い下唇を歯にくっつけるように引いて、細かい振動で唇を振るわせます。
このときに堅くなる人は、唇と唇の隙間を少し多めに開けてみてください。
短く出すときは、舌を歯で軽く挟むぐらいの位置から軽く引いて短い息を送り出します。ちょうど唇に付いたご飯粒をペッと飛ばすようなイメージです。

ホーンの音が出るようになったら、基本音とホーンを交互に出します。
最初はロングトーンで唇をゆっくり動かしながら、スローモーションのように変化させてみましょう。
最初は音が途切れると思いますが、徐々に圧のかけ方が分かってくると隙間が少なくなります。次に短いホーンと短い基本音をテンポ良く切り返してみましょう。

ホーンは、演奏の中でのアクセントとして、重要な音になります。
ホーンだけの演奏はあまりありませんので、できるだけ基本音の中で切り返しをスムーズに出来ることがポイントです。

●コール
コールという奏法は声を重ねることによって音に厚みを出す奏法です。
基本的なコールには低い声のコールと高い声のコールがあります。
低いコールはディジュリドゥのキーよりもちょっと下かちょっと上のキーで
上手くバイブレーションが安定するカ所を探すのポイントです。
コツとしては、喉の奥で唸るように(息が前に出すぎるような声の出し方ではなく) 基本音の音のボリュームと上手くあわせで出せるようにするとよいでしょう。
高いコールは裏声を喉を意識してしっかり出すことです。
基本音のロングトーンに短い高めのコールなどをいれて、
ディンゴ(野生の犬)やクカバラ(笑いカワセミ)といった動物の鳴き声を表現できます。
コールについては、ディジュリドゥ教則CD・初級編を参照下さい。

■ステップ4 いろいろなリズムに挑戦■

今までのテクニックを使ってリズムを取る方法です。

タンギング
タンギングは舌を動かすことによって音色に変化をつける方法です。
まず基本音でしっかりと口の中で倍音を出します。
倍音の出し方については、ディジュリドゥ教則CD中・上級編を参照下さい。
その倍音を舌を上下させながら、「ろろろろ」と声を出さずに動かしてみましょう。
そのときに持続低音はそのままで、倍音だけが変化するのが理想です。
次に口の前の方で、「トト」っと動かしたり、舌を後ろから前に向かって、「ティト」と動かしてみたりしてみましょう。

●ヨルング式リズム
ディジュリドゥを伝統的に行っている地域、北東アーネムランドのヨルングの演奏方法には独自のリズムがあります。
主に舌でリズムをとります。その舌の動きは言語からきているのです。
伝統曲などを練習したい人は彼らの言語の発音方法を習得する必要があります。

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