[訪問記] Mata Mata Report (2004年)

初めてのマタマタ訪問である。
マタマタというのは北東アーネムランドに最初にできたアウトステーションだそうだ。イリカラから車で3時間。遠い道のりである。
ジェレミーによると途中でミルカイとガッパンブルに会うことになっていたが、見つからないのでそのままマタマタを目指す。
マタマタでミララをピックアップしてイリカラまでつれてくるという仕事もあるそうだ。道は次第に細くなり、揺れも激しくなった。

途中、道が小川によってふさがれていたが、何とか通過する。
次第に大きな蟻塚が見え始める。
アーネムランドでこれだけ大きな蟻塚をみたのは初めてだ。
しばらくストリンギーバーク(イダキになるユーカリの木)のブッシュを走り抜けると、急に目の前に草原が広がる。その先に家の屋根が見える。
「マタマタに着いた!」
マタマタは1960年代にできたセスナの滑走路のすぐ横に約10軒くらいの家が並んでいる。
二人の長老がいすに腰掛けている。
ジェレミーとランディが先に降りると、長老たちと話を始める。
そこへ目のきれいな青年がイダキを手にやってくる。ミララだ。
去年アートセンターで会っていたことを向こうも覚えていた。
ドンという名のエルダーが、木肌のイダキを手に話を始める。
「ここはグマチの土地だ。だからこのイダキもグマチのイダキ、ダンビルビルなんだ」
「ガルプのイダキはジュンギリングだけどこれはダンビルビルだ」
ジェレミーはガーマでそのイダキを見せ、アートセンターで所蔵したいことを告げ購入することになった。

その後ドンとミララとともにイダキを切りに行くことにした。
30分ほど元来た道を走ったところで、車を止める。
ドンは杖をつきながら森へ入っていく。
ミララも別の方向へ入っていった。
ミララ、ジェレミー、私は一緒に森の奥へと入っていく。ランディとドンは別方向へ。

Yidaki Cutting by Mirara

1時間ぐらい森の中を歩き回っただろうか、5本のイダキを手に入れた。
これだけの広範囲でイダキを見つけて、まだ加工前の何10キロかあるような
丸太を抱えて車のところまで運ぶなんて、なんと大変なことか。
イダキはそういう労力の上で作られている。
ミララのイダキの試し方はジャルーやミルカイとはちょっと違っていた。
切り立てのイダキが中が通っているか試すときにまずはじめに筒に向かって「あ~」と
声を出すのだ。声が響いて出ていけば穴は貫通している。
もし通らないようならまだ中に何かが詰まっている。
イダキメーカーによって作り方も微妙に違う。
イダキのチョイスもClan(部族)によって違う。
ダンビルビルならダンビルビルにあったものを、ジュンギリングならジュンギリングにあったものを選ぶ。
またイダキに少しだけ近づいた気がした。

Copy Right : Dinkum Japan (無断複写・転載禁止)

コメントを残す